「工芸帯地 洛風林百選」(絶版)
京都書院 昭和55年発行
初代堀江武が制作してきた洛風林作品集
「別冊 美と工芸 洛風林 一、二、三」(絶版)
京都書院 昭和38年~45年発行
月刊誌「美と工芸」の特集として作られた洛風林作品集
「目の眼5 古美術骨董 月刊誌No.524」
株式会社 目の眼 2020年4月発行
洛風林資料館にて所蔵品と共に取材して頂きました。
洛風林の帯に想う
白洲正子が愛したと言われる洛風林の帯であるが、正子の「民藝嫌い」もまた有名な話である。同様に黒田辰秋の漆も正子は愛した。つまり黒田の作品は民藝ではない、ということになる。黒田だけではなく、河井寬次郎も濱田庄司も棟方志功も、柳宗悦と関わり民藝から大きな影響は受けたけれども、彼らは決して民藝作家ではない。民藝という思想を、自分の創作活動に取り入れていったのである。
お茶の「侘び」や「寂び」も美意識というよりは、人の生き方だと私は想っている。同様に民藝も思想の話であり、柳という宗教哲学者がモノを通じて大乗仏教を語った、人の生き方の話ではないだろうか。洛風林の創始者の堀江武さんも「すべての女性たちに美しい着物を着てほしい、そしていきいきと人生を謳歌してほしい」と願っていたという話を孫の堀江麗子さんからお聞きしたが、この武さんの想いもとても民藝的な話ではないだろうか。そんな想いを込められて織られた帯が、美しくないはずはないのである。
麗子さん、繭子さん、愛子さんの3人の孫に受け継がれた洛風林の帯は、たくさんの女性たちを楽しませ、そして美しくし、愛されていくに違いないと私は確信している。
上野 昌人(グラフィックデザイナー時々編集者)
「柳宗悦と京都」
杉山享司・土田 眞紀・鷺 珠江・四釜 尚人 著
光村推古書院
京都民芸協会理事を務めた初代堀江武と民藝の繋がりを蒐集品と共に取材して頂きました。
大正13(1924)年、関東大震災で京都に疎開していた柳宗悦は、濱田庄司の紹介で河井寬次郎と出会うことになります。3人は弘法さん(東寺)や天神さん(北野天満宮)で開かれる骨董市に出かけ、そこで見つけたものは「下手(げて)もの」と呼ばれた雑器や布類でした。そして柳宗悦たちは、日常で使う道具の中にこそ「美」は存在すると考え、「民衆的工藝=民藝」 と名付けました。そして昭和8(1933)年東京に戻り、昭和11(1937)年目黒区駒場に日本民藝館を開設することになります。この約10年間に蒐めたモノは貨車4台分にのぼったといわれていますが、この京都時代が「民藝」にとっての揺籃期となったことは意外に知られていません。本書はその京都時代の柳宗悦にスポットを当てた、「民藝」誕生の秘密にアプローチした一冊です。 (光村推古書院 書籍案内より)
「毎日、きもの」
河村 公美著
講談社
子供の頃から着物に親しんできた河村さんの、様々な場面での日々の着こなしは「着物を着ると広がる豊な世界」を伝えてくださいます。当書では、河村さんと「あこやきもの 教室」主宰 曽田茜子矢さんとご一緒に、洛風林主人が、今の時代にもっと楽しむための着物について 鼎談させて頂いております。
『美しいキモノ』ミューズとして、上質で素敵な装いが人気の河村公美さん。こちらの本では、季節の着こなし、普段のきものに特別な日のきもの……さまざまなシーンでの河村さんの着姿のほか、コーディネートのコツや小物のルールなどもご紹介しています。洛風林の帯をはじめ、すべて河村さんのワードローブで構成。 きもの好きは見ているだけでも楽しめる1冊となっております。*本書内では、「あこやきもの教室」主宰 曽田茜子矢さん、洛風林社長 堀江麗子さんもご登場して「きものライフ」をテーマに河村さんと鼎談されています。(講談社 概要紹介)
「きものを着たら どこへでも」
山崎 陽子著
技術評論社
以前、日常で締める八寸帯の魅力について「肩の力の抜けたさりげなさ。立派なケーキではなく、お母さんが作るおやつのように。」、と表現してくださいました。爽やかな風のように自由に、軽やかにきもの生活を楽しまれる山崎さんの心躍るエッセイです。
「きものって自由。冒険しても,大丈夫。」きもの歴7年となる山崎陽子さんが,着続けたことで見えた自分好みのスタイル,「こうでなければ」という着こなしにとらわれない楽しみ方を紹介します。もっときものを日常に,自由なきもの時間のためのエッセイです。(技術評論社 概要より)
「樋口可南子のきものまわり」
清野恵里子 著
集英社
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