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勝山健史織物展「美の元(素)」

第12回 勝山健史織物展

「美の元(素)」 

ごあんない

拝啓 新緑の候、皆さまお健やかにお過ごしでいらっしゃいますか。お伺い申し上げます。今年、十二回目を迎えます勝山健史織物展は「美の元(素)」というテーマに桃山時代の小袖や唐時代の伝来裂など勝山氏が以前より憧れていた東洋の美しい絹織物を手本に制作に挑まれました。またこの度、長年作品作りと共に取り組まれてきた修理用絹布製作が「国宝重要文化財等保存活用事業」の「保存修理用絹布製作事業」として文化庁から指定を受けられることになりました。修理用の布を作られるとき、先ず修理する国宝や重文の裂を調査研究することから始められますが、文化財修理を手掛ける松鶴堂の城山氏はこの絹布を使う最も大切な理由に「ただただ美しいから。」と仰ったのが印象的でした。いにしえの美しい絹織物が未来に残るため、現代に生きる人々が美しいと感銘を受ける織物づくりを探求する勝山氏の仕事はあらためて素晴らしいと感服するとともに、今後新たな担い手が繋いでくれることを願わずにはいられません。技術や知識だけではない本質の美しさ「美の元(素)」を皆様にもご高覧いただけましたら幸いです。                   

令和3年5月吉日        

               敬具

                     工芸帯地洛風林 堀江麗子

  

美の元(素)

昨年来世情が安定しない中、私達にも多かれ少なかれ影響が出ました。職人の減少です。消えていくのは解っていたのですが、無くなって初めて実感する有り難さです。足りなくなった分、自分でも機に上るのですが中々全てが思うようにも行かず。美しく思うものを作り出すにもやはり、元(素)が違うように見えてなりません。778年頃に製織された「紅地花鳥文錦」や安土桃山時代に製織された「片身替段牡丹文様綾小袖」など、これみよがしでは無く品と迫力のある本当に美しいものを手本に作っております。オリジナルには遠くて及ばないですが、元(素)を見つめ直し今出来得ることで再構築しております。後継者の育成を急務として仕事に向かいますが、やはり作り出すものが魅力に溢れ、織ってみたいと思わせるようなものを作り続けなければ後継者も育たないと肝に銘じ、美しさの元(素)を穿き違える事なく精進いたします。宜しくお願い申し上げます。

                            勝山 健史

2021年5月28日 @ 10:00 AM 2021年5月30日 @ 4:00 PM

日時:5月28日(金)10:00〜16:30

     29日(土)10:00~16:30

     30日(日)10:00〜16:00

場所:京都国際会館本館5F

   Room558・559

主催:工芸帯地 洛風林

お問い合わせ:工芸帯地 洛風林 tel.075-231-6536

工芸帯地 洛風林

京都国際会館 

京都府京都市左京区岩倉宝ヶ池 606−0001 + Google マップ

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